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妖怪変化の時空 [くま散歩]

8月27日雨が上がって晴れてきたので、久しぶりに佐倉城址公園内と国立歴史民族博物館へ。
ここはお城の跡の公園なので、結構坂がきつかったりして、なかなか運動になるのです。坂の上の城址公園でセミの声を聞きながらお弁当食べて一息^^;セミもそろそろお仕舞いだよなぁと。

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その後博物館売店で売ってるちょっと欲しかった本があるので博物館へ行くと、こじんまりと特集展示してるじゃないですか!知らなかった~、一昨年も妖怪関係の展示(百鬼夜行の世界)をしていたのを観に来たのですがとっても面白かったんですよね。で、売店だけの予定が迷わず入館^^。

置かれていたパンフレットを見ると嬉しいことが書いてある。・・・2013年3月にリニューアル・オープン予定の総合展示第4展示室「民族」でも活用する予定・・・ということは、2013年からは常設展示が始まるということですよ。

そもそもここの歴博では、2001年にも企画展示~「異界万華鏡―あの世・妖怪・占い―」も行っていたというし、それ以降積極的に階段・妖怪関連資料の収集を行っているとのこと。なんという頼もしさ!

怪異を暑かった錦絵や摺物(すりもの)、妖怪本など、江戸時代から明治にかけて作られた資料を中心に900点を越える「怪談・妖怪コレクション」に成長しているというので、どのように公開されるのかがとっても楽しみです。

こういう妖怪・怪談関係の話は、庶民の生活に近いところで起きる事件や事象を書(描)いているのでので、当時の生活ぶりがよく見えるようで面白くて好きなんですよ。

それを国立の博物館が、大まじめに現在まで900点あまりも集めてくれているってのは、とっても嬉しくて飛び上がるくらいに期待してます。

さて、ここは広い(順路通りにみて歩くと4kmくらいあるらしい)ので、今日はもったいなけど目的の第4展示室まで足早に直行!あったあった!区切られた小さなスペース。学校の教室ぐらいの広さ。写真もフラッシュ使わなければOK。

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最初の展示は奇っ怪な絵。人魚?女の顔に魚の体背中に3つの宝珠が付いてる。これは1819年に長崎県平戸に現れたという姫魚というモノ。何でも龍宮からの使いで、「今から数年間は豊作に恵まれるが、流行病で多数の人間が死ぬ。逃れるためには私の姿を描いた絵を見れば良い。」と言ったそうです。その下の絵は、やはり1848年に新潟に現れた「実は海中に住むというモノ」で同様な話が伝えられているようです。

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 こちらは、1882年(明治15年)になった現れたという、猿の頭に3本の足が生えた「猿のかたちの光物」という異形のモノ。これも同じように予言をしてるようです。

これはどうも庶民の不安な心理に目をつけて、そこにつけ込んで絵を売り歩く者がいたようで、今も昔もなんら変わりませんよねぇ。

実際夏場に流行る疫病は、庶民にとって最も恐れるものの1つで、それだけに予言と除難については本当に切実な思いだったんでしょう・・・。

買った絵を部屋にはって、朝夕拝んでいたと思いますけどこんな絵は部屋に貼りたくないもんです。なんてことは今だから笑ってられますけども・・・。

実際そんな話は加藤曳尾庵の「我衣」 という随筆にも出ているそうでして。(この人の名前で検索すると、いろいろと怖い系の話しがたくさん出てきますねぇ・・・今読んでもちょっと気味が悪いですよ。)

さっきも書きましたけど、現代でも騙されて高い仏像やツボを買わされている人いますもんね。

さてこっちの絵↓は舌切り雀の結末。舌切り雀とは日本のおとぎ話の1つで、小さい頃に誰でも一度は聞かされている話だと思うんですけど、おとぎ話ってのは元は気味の悪い話だったり怖い話だったりすることが多いものですが、この話も実はそうらしいですよ。

suzume.jpg意地の悪いおばあさんが洗濯をしていると、飛んできた雀がおばあさんの洗濯の糊を食べてしまいました。怒ったおばあさんは雀を捕まえて舌をちょん切ってしまいました。

雀は驚いて山へ逃げ帰ってしまったという、その話を聞いた優しいおじいさんは、雀にお詫びをしようと雀を探しに山へ行って雀のお宿で雀に丁寧にお詫びをしました。すると雀は「いえいえ私が悪かったんです。」と、逆におじいさんをもてなしました。

翌朝、お土産にと大小のどちらかの箱を持って帰るように雀に言われたおじいさんは、小さい箱をもらって帰りました。家に帰って開けてみると、大判小判や着物などいろいろな物が入っていました。

それを見たおばあさんは「私が大きい方をもらってくる!」と、一人で雀のお宿のある山へ行きました。そこで雀に会い、すぐに大きな箱のおみやげをもらい、やっとのことで背中に背負って帰りました。

途中どうしても箱の中身が見たくなって箱を開けてしまうと、中からは何と、蛇や、ムカデや、気味の悪い虫が次から次へと出てきました。おばあさんは「助けてくれーっ」と、大慌てて山を下り家に逃げ帰りました。その話を聞いたおじいさんは「だからあんまり無慈悲なことをしたり、欲張ったりするもんじゃないよ。」と言いましたとさ。

おとぎ話でしょう。でもこれ箱の中から出てくるのは元はこの絵のように妖怪であって、しかもおばあさんを殺してしまうんですね。まだこの絵の妖怪はユーモラスですけどね。

その他、百鬼夜行の絵巻物の展示はいつもながら興味深い。長い巻物なので、期間を決めて見せる部分が変わるようです。

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描かれている妖怪たちがイキイキとしていて表情も面白い。妖怪たちは大抵が日用品の妖怪で、鍋や釜に足があったり、そういう類のものがほとんど。生活に密着した妖怪だったんでしょう。

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自分お土産に妖怪お化けハガキ。アンパンマンに出てきそうな楽しいお化けたちでして。このノリだと逆にアンパンマンは全部お化けってことになるわ(笑)。

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ということで展示はとても楽しい内容でした。この収集の成果が常設展示になる2013年が楽しみ♪

見終わったら房総ぼっちを食べて一休み。このお菓子って、「佐倉ブランド菓子 第一回味見奉行お墨付き品」というラベルが貼ってありました。美味しい♪

佐倉のお山は坂がきついので、このくらい甘いお菓子を食べたってちょうどいい。


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コメント 4

いつかまう

私が小さかった頃、ロクロ首は気味悪く恐ろしかったなあ。
by いつかまう (2011-08-30 22:52) 

そーすけ

☆いつかまうさん、どうもどうも^^
コメント返信が遅れてしまって申し訳ないです。
自分の子どもの時も妖怪の映画もやってたりしてました。
ろくろ首は気味が悪いけど、そうやって首が伸びるか不思議でしかたなかったのを憶えています^^;
by そーすけ (2011-09-04 13:46) 

たかち

ようこそ、佐倉市!
たかちの生息地です(^^)v
最近は行ってないけどサックス持って城址公園へ行って吹いてたりしてます。
歴博からちょっと離れるけど武家屋敷もいいですよ!
by たかち (2011-09-11 19:06) 

そーすけ

☆たかちさーん^^
佐倉好きです。ていうか、京成佐倉駅から城址公園周辺しか知りませんけど、春夏秋とよく出かけるんです。城址公園はほんとよく行く。この翌週も行ってました。
そうか城址公園で、サックスの音色が聞こえたらたかちさん!なんですねφ(`д´)メモメモ...
武家屋敷も2年くらい前に行きましたよ!面白かったです。ガイドの方にみっちりついて案内してもらいました。楽しかったです。堀田邸もね♪
あとは市立美術館は好きだなぁ。たまにお茶しに寄ります。
by そーすけ (2011-09-14 00:15) 

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