思い出のマーニーは原作本も読んで [映画・テレビ・漫画]
夏休みが始まり、スタジオジブリの最新作『思い出のマーニー』が公開中。原作はイギリスの作家ジョーン・G・ロビンソンの児童文学「思い出のマーニー」(When Marnie was there)。
札幌に暮らす中学生の杏奈は、ぜん息の療養のため、夏の間同じ北海道の海辺の暮らす親戚の家で生活することになった。そこには地元の人達が「湿っ地屋敷」と呼ばれる、長い間誰も住んでいない洋風の古いお屋敷があった。杏奈はその屋敷が気になってある日屋敷へ行ってみると、そこで同世代の金髪の不思議な少女と出会う。2人は誰にも言わない約束の秘密の親友になることを誓って、それから2人は少しずつお互いを知っていく。
杏奈の成長の物語です。この辺りの基本設定は原作と同じ。原作の舞台はイギリスノーフォークですが、映画では日本の北海道(釧路辺り?)に置き換えられています。
アリエッティの時もそうですけど、なぜこうまで日本に置き換えなければならないんでしょう。イギリスの風景よりも、北海道の湿原の風景が物語に合ってるいるということはないと思うんですが。このスタッフでイギリス・ノーフォークの景色を描くことを想像すると、鳥肌が立つくらいワクワクするのですが。
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こんな洋館と水辺の風景ですよ。日本の一流の技術で描いたら美しくないわけがあない。見たかった。とはいっても、ジブリなので今回もクオリティーの高さは保証済み、全編素晴らしい。キャラクターも可愛らしいし、画面内の細かい動作や仕草が心地よいです。あちこちで細かくよく動いてます。
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マーニーが今日はお弁当を持ってきたの~って言いながら、バスケットから布包みを取り出して開きながらクッキーを1つつまんじゃう何気ないふる舞いが微笑ましく。
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物語は大きく前半と後半に別れていて、後半は前半に放たれていた伏線が次々に回収されて紐付けされていきます。原作とは全然違う展開で伏線を回収していきます。実はこの部分は、原作のほうではミステリー小説の謎解き場面みたいなワクワクの展開になるんですが、映画では理解しやすくしようとしたのかそんな展開にはしていませんでした。ちょっと残念。
とは言っても、この映画が良くなかったという印象ではありませんで、こういう展開も有りかぁて感じですね。ここは是非原作を読んでみて、両方それぞれに感じて欲しい。原作本は映画に合わせて簡単な本も出ているようですが、ここは是非オリジナルを読んでみて欲しい。児童書なのでさくっと読めます。
原作はこちら。最初の部分がちょっと退屈なのと、翻訳の言い回しが古いなぁって感じますが(特に最初の部分)、それを乗り越えると俄然面白くなりますよ。ぜひ。
最後に。今回はダブルヒロインだと話題になっていましたよね。杏奈役はドラマ「GTO」や映画「男子高校生の日常」などの高月彩良、マーニー役はNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の有村架純。
話題作りはいいんですけど、はっきりいってちゃんと声優使って欲しいなぁ。ま、この2人だけじゃなく脇の方たちも同じ。役者としては大物の方たちが声優に初挑戦!なんていつものジブリ同様やってますが、これらも声優さんを使って欲しいなぁ。
原作を読んでないと分からない発声があります。シメッチ屋敷ってシメッチさんのお屋敷かと思いました私。シメッチさん、いつ出てくるんだろうと思ってた。これって湿地帯に建ってるお屋敷のことなんですけどね。このへん、声優の方なら意味のわかるような発声をしてくれたんじゃないかと思っているのです。声優はこの道のプロですからね。
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