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坂の上の雲に宮古湾海戦の件が [時代・新選組]

年末のNHKのスペシャルドラマ「坂の上の雲」があまりにも面白かったので、ついに原作に手を出して読み出しているのですが、第1巻の東郷平八郎(ドラマでは渡哲也さんが演じていましたがかっこよかったなぁ)の履歴紹介のくだりで、新選組の土方さんも参加した宮古湾海戦の話が出てきました♪

これは明治2年、新政府軍の最新鋭艦「甲鉄」を奪取すべく、幕府軍艦の回天、蟠竜、高雄が箱館港を出港。回天艦長は甲賀源吾、そして新選組の土方歳三らも乗艦していました。

この作戦はもともと無茶だったこともありますが、さらにことごとくついていなかった。箱館港を出港してからは暴風雨に会い艦隊は離散。回天と高雄は合流しましたが、高雄は機関故障のため結局突入は回天だけで、土方率いる陸兵の突入作戦に切り替えました。当初の予定は、蟠竜、高雄で左右から甲鉄を挟むようにして接舷し、抜刀した兵士で一気に艦を制圧して奪う計画だったんですがね。

回天は接舷しない予定だったのですが、結局この回天が突入するというさらに無茶な計画になってしまいました。回天は外輪船のため、それが邪魔になって横になって接舷できず舷側から突入することは不可能。艦首を接舷させて突入することになるのですが、突入口が狭いことと回天の艦首と甲鉄との高低差が3メートルもあり、突入部隊が飛び降りるのをためらってしまうわけです。3mの高さというと相当高く感じるのも無理ないですよね。その間に甲鉄のガトリング砲の標的になってしまうのです。

この宮古湾海戦に東郷平八郎は薩摩藩砲術士官として参戦していて、その時の紹介として新選組の土方歳三などとこの宮古湾海戦の話が出てきました。東郷は「艦尾の機関砲をあやつってこれを撃退した。」と。

坂の上の雲は明治の話ですがまだ幕末の色を濃く残している時代なので、興味深く面白く読んでいけてます^^。幕末の話がこのように出てくるとさらに面白い。

結局この宮古湾海戦は、甲鉄奪取もかなわず旧幕府軍は大敗して引き上げています。回天と蟠竜は何とか箱館に帰還していますが、高雄は敵に追われて自沈。旧幕府軍艦は回天と蟠竜だけになってしまい、さらに海軍力に差がついてしまったわけです。そもそも榎本艦隊の旗艦「開陽」が座礁沈没してしまったため、戦力差を縮めようと計画した作戦でしたが失敗に終わり、戦力差は決定的になってしまいました。

甲鉄は幕府がアメリカに発注していた船だったはずで、納品しに来たら日本は内戦状態で明治政府が受け取ったようなもの。旧幕府の箱館政府の面々としてはなんとも悔しい思いだったはず。それもあってこの奪取作戦を敢行させたのですが、成功していても降伏を少し遅らせたくらいだったか。


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ことり

わぁ!さすがそーすけさん。
今まさに幕末から明治のあたりの歴史に興味があるので、読んでいて勉強になります。
数年前に亡くなった私の祖母は明治生まれでした。
今更なんですけど「色々な話を聞きたかったなぁ・・・」なんて思ってしまいます。
by ことり (2010-01-09 20:48) 

そーすけ

こんにちは♪
ことりさん、坂の上の雲は順調に読み進んでいますか?
自分はやっと2巻へ入りました。これでも思ったより順調に読めています。面白いですね^^
幕末の色を残した明治のこの時代は面白いですね。そのおかげでこの時代があるわけで、つながっていますねぇ。
明治生まれのおばあさま。やっぱり厳しい方だったのですかね^^。
ところでこの宮古湾海戦についてですが、実際のところはこの甲鉄にはガトリング砲はなかったとか、東郷平八郎は別の船に乗船していて目撃しただけとか、詳しいことはよくわからないようです。
司馬さんが書いているのは小説ですから、事実は違うところもあるでしょうね。
by そーすけ (2010-01-10 17:44) 

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