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絶叫委員会 [くま屋の入荷便り]

こちらのチヨロギさんのブログで面白そうな本を見つけた。穂村弘さんの「絶叫委員会」。

「でも、さっきそうおっしゃったじゃねぇか!」

なんだこれ?「おっしゃった」なのに「じゃねぇか」と来るとは、こんなの普通ありえない。変なんだけどこんな状況って妙にリアルに想像つくんですよねぇ。「さっき」じゃないにしても、「先日」だったり「先週」だったり、「朝」だったり。まさに朝令暮改ですな。

これ、合意して仕事してたら、決めたこととは逆のことを当然のように言われてひっくり返されたこと・・・。あるある。変化する周りの状況を見ながら、フットワークよく朝令暮改を旨とする。なんて都合いいこと言って正当化されてもねぇ。筆者曰く「懸命に踏みとどまろうとする敬語から、煌く『ふざけんな』の世界に飛翔してしまう動きに感動。」うまいな。さすが歌人。

「右の謎」っていう見出し。筆者は幼稚園の頃右と左がわからなかったそうですが、読んでみるとなるほど納得。そういやそうだわ。

これは別に右も左もわからないってことじゃなくて、「右」ってのはどっち?ということ。東や西というと方角は固定されていて、どの場所にいても、雨が降っても、今日でも明日でも東の方向は決まってる。でも、「右」ってのは自分の立ち位置でどんどん変わる。東はいつでも「こっち」なのに、右は「こっち」だったり「あっち」だったりするという、この「右」のダイナミズムが理解できなかったと。

「右は動いてないよ、右手の方がいつも右なの、ヒロシ君が動くと右も動くの」そう言われても、ボクが動いちゃったから、さっきまでの右はもう右じゃなくなる。さっき右にいたヤツは今度は「どっち」に来たのか・・・

と筆者は書いてる。ややっ、そう言われればそういう考え方もわかる。でも多分考えすぎる頭の良い子だったんでしょうね。

自分も似たようなことあります。「ベテラン」ていう国があると思ってた。
子どもの頃オリンピックのマラソン実況を観てた時に、アナウンサーが「ベテランのアベベ選手、やはり速いですね。」なんて言ってたと思うんですよ。他の競技でも「ベテランの◯◯◯選手・・・」という言い方をよく聞いたもんで、ベテランという国は、すごい選手がたくさんいるんだなぁと思いこんでた。(アベベじゃ古すぎか^^;)

これって「月極駐車場」といういう、「月極」という名前の駐車場チェーンがあると思ってたという話と同じようなもんですね。似たようなことはまだあるだろうな。

とまぁこんな「ん?」と思うような言葉や。会話を紹介して、軽妙でリズミカルな文章でコメントしている本です。さらさらっと読めてしまう。筆者は歌人ということで、文章にリズムがあって読みやすくてしかもちょっと言い回しが洒落てる。

絶叫委員会

絶叫委員会

  • 作者: 穂村 弘
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2010/05
  • メディア: 単行本

面白かったから、他のも読んでみようかなと思う^^。

 


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チヨロギ

こんばんは。ベテラン国出身のチヨロギですw(ウソ
リンクとトラックバックをありがとうございました!
「右の謎」の話、すごく納得できますよね。
この人にとっての東西南北と右左って、
絶対音感と相対音感みたいなもんかなー、と思いました。
視点がユニークな本ですよね。
気に入っていただけてよかったですー♪(^.^)
by チヨロギ (2010-10-24 01:58) 

そーすけ

チヨロギさん、コメントありがとうございます♪
この本、電車の中で読むと危険ですね。もうニヤニヤがこらえきれなくて大変でした。^^
電車やお店なんかでまわりから聞こえてくる会話や、あちこちに張られている掲示物なんかヘンなの結構あります。
自分でもなにかやらかしてることってあると思うので、あまり人の事は言えないかもしれない。でもおかしいですよこれ(笑)
絶対音感と相対音感かぁ。なるほどそうですよねっ。
こちらこそトラックバックありがとうございます^^

by そーすけ (2010-10-24 16:23) 

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