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コクリコ坂から《ちょっとネタバレ注意》 [映画・テレビ・漫画]

公開初日ジブリの最新作「コクリコ坂より」を観てきました。

cover237.JPG初めに書いておくとこの作品面白いです。ゲド戦記に比べて、腕を上げたな宮崎吾朗って思いました。偉大な父のシナリオもいい、そしてプロデューサーの力ももちろんあるでしょうけども、総合的に面白い映画になったと思いました。自分は大好きです。

原作は1980年頃に「なかよし」に連載された少女漫画ということなんですが、自分はまったく読んだこともなければ、聞いたこともありません。作者の名前も知りませんでした(ごめんなさい)。

映画のプログラムに載ってる宮崎駿さんの映画の企画段階の覚書によると、原作は「学園紛争と大衆蔑視が引き込まれていて、少女漫画の制約を知りつつ挑戦した作品」なのだそうです。

少女漫画とは社会や風景、時間と空間を築かずに、心象風景の描写に終始するものなんだそうである。ゆえにその枠からはみ出てしまったこの原作漫画は、失敗作品と書かれていますね。

なるほど確かにそうだったのかも知れません。自分も70年代終わりまでは、少女漫画も少しだけかじっていたことがあるのでわかる気がします。でもその枠にはまっていたのはその時代までじゃないかと思うのです。以後読み手の意識が変わってしまい、その枠を越えた作品が欲しくなってしまったんだと思います。そして次々と従来の少女漫画雑誌は衰退して姿を消してしまった。Mer237.jpg

でもねぇ、親の駆け落ちとか非嫡子とか浮気などを連想させるこの話、連載誌が「なかよし」というの読者層から考えると、当時としてはかなり重い展開に受け取られたんじゃないでしょうか。宮崎さんがいう「失敗」とは、単純にストーリーがそうなのではなく、時代に合わなかったという意味合いなのかなと思っています。

◇   ◇   ◇

さて、いつものことなんですが、観る前は特に前情報特になし、原作も読まない。今回はいつもよりも真っ白の状態で観に行ってきました。余計な思い込みがなかった分、とっても面白く楽しめて大正解ですね~。

時代背景は1963年、東京オリンピックの前年。舞台は横浜。この頃自分は生まれてはいましたが、記憶も何もなし。それに東京・横浜には縁のない田舎で生活していたので、交通渋滞とか公害で海や川の汚染とも取り敢えずは縁がありませんでした。

とはいっても、地方の田舎にももこの流れは数年後に来るもので、街中の様子や家庭の様子、劇中に流れる坂本九の「上を向いて歩こう」の挿入歌とか、とてもノスタルジックな気分にさせてくれます。

ストーリーについては、観てのお楽しみということで、おオススメします。原作は古い少女漫画ということですから、観ると「あ~」と思うかも知れません。でも、何か感じることができるんじゃないかなと思うんですよ。自分も恥ずかしながら、振り返る良い機会になったかなぁ(意味深^^;)。90分くらいの短い映画ですので、気軽に観られると思います。手嶌葵さんの歌う主題歌、「さよならの夏」もハマリかな。元は森山良子さんの歌で1976年の歌です。

progrm480c.jpgprogrm480b.jpg こんな時代あったなぁ。

 

◇   ◇   ◇

ちなみにTVのCMでも良く流れているのですが、主人公の少女が毎朝家の前に信号旗を揚げます。
U.gif
W.gif ←こんなの。
この意味は「UW」(航海の安全を祈る。[I wish you a pleasant voyage.])なのだそうです。港に行く機会があったら探してみる面白いかも。これを揚げてる船は多いようですよ。

ちなみに「くま屋」だと、こう揚げる~(揚げてどうするよ)
K.gif
U.gif
M.gif
A.gif
Y.gif
A.gif

名前を信号旗で表してみたいとか思ったら、こちらで試せますよ♪

◇   ◇   ◇

原作本はこちら。

コクリコ坂から

コクリコ坂から

  • 作者: 高橋 千鶴
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/07/10
  • メディア: コミック

 映画の脚本

脚本 コクリコ坂から (角川文庫)

脚本 コクリコ坂から (角川文庫)

  • 作者: 宮崎 駿
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/06/23
  • メディア: 文庫

◇   ◇   ◇

日本テレビ系ドラマ「さよならの夏」の主題歌(1976年)~歌:森山良子さん。
手嶌葵さんの歌も良いですが、こちらもさすがに良いですよ。

 


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コメント 8

うーたん

この原作は覚えてませんが
この漫画家さんは覚えています 微かに
なかよしは小学校低学年の時毎月読んでました

来月見れるかな
by うーたん (2011-07-17 01:10) 

そーすけ

☆うーたんさんこんばんは^^
こんなに楽しい気持ちいい映画になってるとは思いませんでした。
いい意味で予想外。
なかよしは今でもそうですよね、当時も今も比較的低学年の読者が多いはず。当時の子どもには難しい話だと思います、これ。でも女の子はわかるのかもね。
映画は是非出かけてみてください^^。

by そーすけ (2011-07-17 03:11) 

たかち

おおっ!早いですね!
私は明日観に行く予定です(^▽^)
「耳をすませば」とも違う感じなんですね。楽しみ!
声優を使わなくなってからちょっと不満なんですが、やっぱりジブリは好きです♪
by たかち (2011-07-17 18:55) 

そーすけ

☆たかちさんこんばんは^^
明日ですか♪
そう声優を使わない件については自分も同感です。
明日は楽しめればいいですね。
by そーすけ (2011-07-17 21:33) 

ことり

こんにちは。
もう観に行ったんですね。早いです!
私も近々観に行こうと思っています。
そーすけさんの感想を読んで、ますます楽しみになりました♪
by ことり (2011-07-18 18:45) 

いつかまう

東京オリンピックころと言えば、高度成長期へと突き進む時代ですよね。
カラーテレビとかクーラーが一般家庭に入り込んでくる頃、貧しくても結構生活に不自由なかったような。
by いつかまう (2011-07-20 23:16) 

そーすけ

☆ことりさん
はい!だいたい初日かその週のうちには観に行くってパターンが多いですね^^;
ぜひ観てみてください。面白かったでので、月末くらいに自分ももう一回行こうと思っています^^。

by そーすけ (2011-07-22 00:17) 

そーすけ

☆いつかまうさんこんばんは^^
昭和38年ですからねー、自分は無邪気に泣き笑いしてただけで、なんの記憶もないです^^あるわけがない^^。
カラーテレビなんてないですよ、クーラーなんて何者?ってくらい田舎でしたからねー。今と比べたら全然モノもなかったし、不便だったと思うんですが、そんなこと感じ無かったと思うなあ。記憶ないですけど^^;
by そーすけ (2011-07-24 20:40) 

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